Loading...

募集要項・エントリー

PROJECT
STORYー 流通経済大学付属柏中学校 図書・メディア棟 ー

不安が自信に変わる瞬間とき

写真
PROLOGUE
プロローグ

一人ひとりの社員が参加したプロジェクトを追体験する「プロジェクトストーリー」。今回は、流通経済大学付属柏中学校の図書・メディア棟の工事について紹介する。同プロジェクトでは、30代の若き現場代理人として堀内直也が施工管理の指揮を執った。そして、堀内を支えるベテラン2名が桑原茂雄と中野大輔。彼らのストーリーを通して、第一設備工業の施工管理の仕事の魅力が存分に感じられるはずだ。

写真
写真

スケールの大きい工事に不安と成長の影

流通経済大学付属柏中学校付属柏高校の敷地内に、新たに中学校と図書・メディア棟を開設するというのが今回のプロジェクトだ。期間は、2021年の11月から2023年の2月。同年4月の開校が決まっており、絶対に遅れることのできないプレッシャーのなか、現場代理人に指名された堀内は当時、本プロジェクトに対して大きな不安を感じていた。

「新築・改修・インフラの盛り替え(※既にある配管などをやり直すこと)。いわば、設備工事の全てが詰まった内容で、自分がこんなに複雑な工事を成し遂げられるのだろうかという不安がありました。自分はこれまで新築なら新築、改修なら改修という形で、一つの現場につき一つの種類の工事しかしてきませんでした。そのせいで、自信が持てなかったのです」

堀内の抱える不安は電気設備工事の現場代理人として参加した桑原も同様に感じていた。「施工範囲が大きく、インフラ工事の工程計画を早期に作成する必要がある。」では、原価管理責任者である中野は、どう感じていたのだろうか。

「高校の敷地内に中学校と図書・メディア棟を新設するということで、在学生がいるなかでの工事となるのが注意する点でした。安全管理を徹底しなければならないぞ、と。また、図書・メディア棟の形状が複雑で、インフラの切り替えの難易度が高いと感じました」

だが、彼ら3人は2021年にも同校の別の工事に参加している。桑原に至っては、2011年から同校の工事を担当しているほどだ。元請けである清水建設からの仕事ぶりを評価されてこその、第一設備工業への再指名。「期待に応えなくてはならない」という共通認識のなか、2021年11月15日に本工事がスタートした。

工事の難所で見える“誠実さ”という人間性

桑原の言う通り、まずは早々に施工計画書を打ち合わせのもとに作成し、工事に臨んだ。工事の難所はいくつもあったが、「特に大変だったのは図書・メディア棟」と3人は口を揃える。
桑原は、図書・メディア棟の吹き抜けが特に難題であった、と次のように話す。

「図書・メディア棟は2〜3階が吹き抜けになっているので、照明を天井から吊るすことができません。提案を求められては提出して……を繰り返して、何度目かの提案でようやく建築・設備の双方が納得する案ができたのです。
設備工事の計画は建築側の工事と運命共同体のようなもので、どちらかの進捗が少しでもズレてしまうと片方の工事をストップさせてしまうことになりかねません。そういう焦りがあるなかでの提案がうまくいき、ほっとしたのを覚えています。」

堀内も吹き抜けの存在には苦しめられたと言う。「空調ですね。1階の天井の中にダクトや配管を納めなければいけませんでした。しかも、特定のダクトでないと性能を担保できない。それにもかかわらず、納めるスペースが限られていて、意匠上、天井を下げられる限界もある。打ち合わせの末に何度も施工図を描き直し、うまく設備が納まった時は心のなかでガッツポーズをしました。」

中野は「工事の予算額との戦いだった」と話す。特殊な設計の図書・メディア棟は、設備の納まりが難しい。先述したように特定の部材でなければ性能を担保できないケースもままあった。

「清水建設の所長との交渉の毎日でした。駆け引きしても仕方がないので、全て直球勝負です。ありのままを率直に話すことで、信頼を得たい思いもありました。もちろん、こちら側でも現場までの通勤に高速道路を使わないなど、切り詰められるところは、とことん切り詰めました。やることを最大限やってこそ、他者への言動に誠実さが宿ります。」

お前らじゃなかったら、できなかった

困難な現場において、清水建設の掲げるDX化の推進が大いに3人を助けたことも記載しておこう。これまでの現場では、竣工引渡し時に提出する完成図書の中で分厚いファイル数冊にわたって、機器の製作図や説明書などをファイリングしていたが、今回はタブレット端末1台にこれら書類を格納した。また、360度カメラで撮影された建物内を端末上で見ることができ、エアコンなどをタップすると図面や説明書などが閲覧できるようになっており、お客様に対してわかりやすく取扱説明ができるようにもなった。

「フル3Dの図面の存在も大きかったです。複雑な造りの部分が3Dという仮想空間で事前に見られるのは大きいですね。内装までフル3Dにしたのは、これが初めての現場でした。収まりが難しいところは、これがなかったら不可能だったのではないかと思うほどです。」と中野は振り返る。

3人がさまざまな苦労を乗り越え、竣工を迎えたのは2023年2月末だった。1年以上にわたる工事。「右も左もわからないなかで、桑原さんと中野さんという目標にするべき2人がいてくれたのが大きかったです」と話すのは当初は大きな不安にさいなまれていた若き現場代理人・堀内だ。
「桑原さんは、毎日のように目についたことをアドバイスしてくれました。最優先しないといけないことを常に教えてくれて、本当に助かりました。中野さんは、原価から安全管理まで、思いつく限りのことを全てしてくださったように感じます。竣工した時は、今までで一番、達成感を得られました。」

そう話す堀内を前に、「以前の現場の経験から、堀内ならこの現場もやり遂げられると思っていたので。自分はできるサポートをしただけです」と中野。最年長の桑原は「我々3人だけでは限界があった。清水建設や協力業者さんの助けがあり、なんとか間に合った。そんな思いです」。

清水建設の建設所長からは「お前らじゃなかったら、できなかった」との言葉もあった。堀内が“この現場において一番うれしかったこと“だったという。

写真
写真

設備は建物の血液だからこそ

無事に竣工を迎えられただけではなく、3人がこの現場を誇りに思うに至る客観的な評価もあった。「清水建設グループ会社従業員表彰」において優秀賞を受賞したことだ。

受賞が決まった時の気持ちについて、中野は「これまでの3本指に入るほど工夫した現場だったので、苦労が報われました。桑原さんとは自分が20代の頃から面倒を見てもらっていたので、その人と自分を『目標とする人』と言ってくれる堀内と肩を並べて受賞できたことがうれしいのです」と話す。

桑原は「受賞もうれしいですが、遠くから図書・メディア棟を見たいと見学に来た人が多かったと聞きます。中学校の応募数は想定以上の数だったとの事でした。」と振り返る。

「2人は怖い。でも何より、手を差し伸べてくれる優しさがあるからこそ、ここ一番で踏ん張ることができました。今回の現場は、自分の自信につながりました。今後、より大きなプロジェクトに携わっていきたい、そう思うきっかけになるプロジェクトでした。」
とは堀内。尊敬する2人に支えられ、若き現場代理人が大きく成長した現場となった。

建物が人間の肉体なら、設備工事はいわば血液と言える。建物に血が流れることで、初めて完全体となる。そこに達成感があるのだ、と3人は感慨深げに語った。

「RYUKEI LINKS」と名付けられたこの図書・メディア棟は、同校の掲げる「未来創造教育」の場となる6年間のランドマーク的存在となっており、多くの学生が今日もそこで未来に向け、勉強に打ち込んでいる。日本の未来を作る学生の学び舎は、3人を始めとする多くの人の尽力があって作られたことを、知っていただければ幸いだ。

他のプロジェクトストーリーを見る

写真

Project Story - 01豊洲市場青果棟

写真

Project Story - 02 石巻南浜津波復興祈念公園

写真

Project Story - 04シチズンマシナリー株式会社新工場

人を知る

写真

横浜支店工事部/施工管理駒井崇広

写真

本社調達部佐々木駿

写真

東京支店工事部/施工管理川口純奈

写真

座談会01シミズグループのいいとこ取りが、第一設備工業。

写真

座談会02第一設備工業の新卒社員の“ホンネ”と“夢”