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募集要項・エントリー

PROJECT
STORYー 豊洲市場青果棟 ー

この仕事、この会社でしか
感じられない達成感がある

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PROLOGUE
プロローグ

一人ひとりの社員が参加したプロジェクトを追体験する「プロジェクトストーリー」。今回は、豊洲市場の新設工事について紹介する。同プロジェクトに参加したのは、2001年に第一設備工業に入社した小澤雅勝。入社後、豊洲ISTビルなど大規模な施設を担当してきた小澤は、誰もが知る豊洲市場の衛生設備工事にどう立ち向かったのか。彼のストーリーを通して、第一設備工業の施工管理の仕事の魅力が存分に感じられるはずだ。

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同業他社との不思議な一体感

豊洲市場は、東京都江東区豊洲にある公設の卸売市場。老朽化した築地市場の代替施設として建設され、2018年に開場した。築地市場は鉄道輸送を前提に設計されており、トラック輸送には十分に対応できているとは言えず、建て替えが必要とかねてから言われていた。そこで、トラック輸送へ完全に対応した豊洲市場への移設が計画されていたのだ。

現場代理人として白羽の矢が立ったのは、小澤雅勝。高校を卒業して以来、サブコン業界で働いてきた手腕を買われた。趣味は写真とゴルフと筋トレ。作業着の上からも胸板が厚いことがわかる。

「ランドマークになるような建物の工事に携わると、とてつもないやりがいと達成感があります。豊洲市場を担当できると聞いた時は、自分に任せてもらえるのだと誇らしい気持ちになりました。一方で、全国的にも話題になっている施設でしたので、自分で大丈夫かなという不安が一抹もなかったと言えば嘘になります。」

着工は2014年の4月。
そこから約2年にわたる工事が始まった。工事開始前に小澤が抱いていた不安は、プロジェクトが進むにつれ安心感へと変わっていったと小澤は当時のことを話す。

「プロジェクトの構成メンバーは次のとおりです。現場代理人の私、監理技術者、主任技術者、現場係員(5名)、施工図作成(2名)、事務員(1名)。自分を含めて11人が第一設備工業から送り出されました。監理技術者の人間とは、2005年の豊洲ISTビルの工事からずっとタッグを組んできた同僚なので安心感がありました。」

第一設備工業の担当は豊洲市場の青果棟の衛生工事だ。規模の大きい建物とあって、空調・電気・消火はそれぞれの専門会社が担当した。

「設備の会社が分かれていますが、配管を通していく場所は同じとあって、他社とは毎日打ち合わせをしていました。『衛生はそっちから通してくれ』『いや、電気がこっちを通したい』『いやいや空調が……』という具合に、図面の取り合いも頻繁に起きていました。『取り合い』という表現こそしましたが、よりよいものにしたいという思いは同じです。
最終的には協力して進めていきました。特に衛生は水が流れる都合上、勾配を付けないといけないので、スペースを譲っていただくことが多かったです。他社とは言え不思議な一体感がありました。」

ピリピリしがちな現場にこそ雑談を

本プロジェクトにおいては建築をはじめ、電気・空調・消火・衛生の5つが同時進行で工事をしていた。提供された設計図を見て、その場で職人たちと話しては施工図をつくり上げていく。「建物が大きい分、建築の流れに置いていかれないように設備の工事を進めるのが大変でした。会社が分かれているので、打ち合わせの度にいろいろな問題点が出てきてそれらに対処していくような日々。毎日が工事のハイライトでした。」と小澤。

忙しい現場は、どうしても雰囲気がピリピリしがちだ。大規模工事では、人数が多いためコミュニケーション不足による工事のミスのリスクも増える。そこで小澤は、現場での他愛もない会話と情報共有を心掛けた。

「ピリピリしているからこそ、お喋りが大切です。プライベートの話をしたり冗談を言い合ったり、なるべく笑顔の絶えない現場を目指したつもりです。そうじゃないと、大変な現場は保てなくなってしまいますから。情報共有については毎日夕方に各々が抱えている課題を出し合って、その日の内に解決するようにしていました。全員で情報を共有するというのがポイントで、自分では考えもしなかった解決策が他者から出てくることがあるのです。自分はできないことでも、誰かが助けてくれる。そういう安心感を持って働いてほしいと考えていました。一人で悩んでいても解決しませんから。」

何かあった時に責任を背負う現場代理人は精神的に孤独になりがちだが、こういった小澤自身の工夫もあり小澤は孤独を感じたことはなかったという。

「工事の書類には自分の名前が責任者として載っている。
そういうプレッシャーはあります。でも気の合う仲間がいますから、帰りに一緒に飲みに行くなど、いい時間だったと今振り返って思います。このメンバーで良かったな、という思いです。」

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仲間と駆け抜けた息子に誇れる仕事

工事のゴールが見えてきたのは、竣工の1ヶ月ほど前だったと言う。

「うちの工事が遅れたら、建築・電気・空調・消火の会社にも迷惑を掛けてしまう。そんな緊張感のなか2年近く駆け抜けてきました。職人さんも第一設備工業が信頼している複数の業者さんを入れての大所帯。
プロジェクトの終盤では、ようやく竣工を迎えられそうだという思いが強かったです。」

結果、2016年の3月に無事、工事は竣工となった。当初は同年8月の開場予定だったが、諸事情あって2018年の開場となった。

「なんだ、それなら工事ももっとゆっくりできたじゃないか、なんて思いもありましたが、あの熱い日々は約2年という定められた期間だからこそ、忘れられないものになったのだと思います。」

そんな豊洲市場は敷地面積407,000m²、延床面積517,000m²という日本一大きい市場で世界でも最大クラスの公設市場となった。また、50年先まで見据えた首都圏の基幹市場として、新鮮な生鮮食料品の流通や食の安全・安心の確保・効率的な物流の実現などに対応している。築地市場の築いてきた歴史と伝統を継承・発展させていくことが期待されており、飲食店街においては国内外からの観光客から熱い視線を注がれている。

「東京の台所を支える市場を、仲間と共に無事につくり上げた達成感は今までに感じたことのないものでした。休みの日にまだ小さかった息子を車に乗せて市場の前まで行っては『ここ、パパがつくったんだぞ』と自慢してしまったほどです。」

豊洲市場の工事を終えた後、小澤は新宿ニューシティホテル、霞が関の中央合同庁舎などの工事を担当。さらなるキャリアを重ねている最中だ。取材の最後には学生へのメッセージを残してくれた。

「私の体験談が、学生や求職者のみなさんの参考になるのなら幸いです。一つ言えるのは、この仕事、この会社でしか感じられない達成感があるということ。仲間と同じ目標を共有する醍醐味をみなさんにも味わってもらえればと思います。せっかくサブコン業界に入社するなら第一設備工業で、とぜひ勧めたいです。いつか、あなたと同じ現場で働けることを願っています。」